初めて白髪を見つけたときの気持ち、覚えていますか?「年齢的にそろそろだもんね」「親も白髪だから、自分もそうなんだろう」などなど…。納得やあきらめもあるでしょうが、できれば黒々とした髪をできるかぎり保っていたいもの。
そのためには、どうすればいいのでしょうか。原因を知れば、対処法も見つかるかもしれません。では、白髪の原因とは、いったいどんなものがあるのでしょうか。
目次
白髪は遺伝以外に生活習慣が重要になる
そもそも髪の色はどうやって決まるのかというと、メラニン色素の量で決まります。メラニン色素には黒色メラニンの「ユーメラニン」と、黄色メラニンの「フェオメラニン」の二種類があり、それぞれは名前のとおり、黒色の要素、黄色の要素をもっています。
髪の色はこの二種類のメラニンが組み合わさって決まるのですが、私たち日本人はユーメラニンの割合が強く、西洋人はフェオメラニンの割合がほとんどを占めているのです。
そしてもちろん、白髪というのは、この二つのメラニンのどちらも含まない状態。メラニンをまったく含まなくなる理由は、いくつか考えられます。
遺伝
白髪の原因として、もっとも考えられるのは遺伝です。実は髪の毛はもともと白く、成長する過程でメラニン色素と混ざり合って色がつくのですが、混ざるはずの色素が足りないと白いまま伸び、これが白髪になるのです。
色素の量や、ユーメラニンとフェオメラニンのバランスなどは遺伝によって決まるとされていますから、髪の色や、白髪の生える年代、量なども遺伝するのです。
ただし、遺伝だけで白髪の有無や量が決まるわけではありません。遺伝とほかの要因が絡み合って白髪になっているケースもありますし、場合によっては、遺伝はまったく関係なく、ほかの原因で白髪になっていることさえあるのです。
では、遺伝のほかにはどんな理由が考えられるのか。一つずつ確認していきましょう。
ストレス
白髪の中には、一時的なものもあります。その原因の代表として考えられるのは、ストレス。ストレスが溜まると脱毛やフケなど、髪に影響が出る場合が多いのですが、白髪もその一つなのです。
なぜなら、ストレスが溜まるとメラノサイトという細胞が正常な働きをしなくなるから。メラノサイトとは、メラニン色素の元となるものなので、この働きが悪くなると色素が作られず、髪に色がつかないまま成長して白髪となってしまうのです。
白髪とストレスの関係について、頭が短期間で白髪で真っ白になることはある?急激なストレスとの関係の記事で更に詳しく解説しています。
血行不良
血行が悪いと、頭皮から髪へじゅうぶんな栄養を送ることができません。メラニン色素の元となるメラノサイトを働かせるにはチロシナーゼ(チロシン)という酵素が必要なのですが、このチロシナーゼはミネラルにより活発化します。
髪に栄養が行き届かない状態だと、当然ミネラル分も送られませんから、じゅうぶんなメラニン色素を生成することができず、白髪の原因になってしまうのです。
また、血行不良は血管の詰まりや貧血などのほか、自律神経の乱れによって起こることもあります。自律神経が乱れる理由の一つには、ストレスの蓄積もありますよ。
栄養不足
既に述べたとおり、メラニン色素の元となるチロシナーゼがじゅうぶんに働くためにはミネラルが必要です。そのため、そもそものミネラル摂取量が少ないと、いくら血行に問題がなくても髪の健康は保たれません。
チロシナーゼの働きが良くないために白髪になっている場合には、ミネラルをじゅうぶん摂取することと、そのミネラルをスムーズに髪に送ることが大切なのです。
また、以下の栄養が不足した場合にも、白髪の原因になると言われています。
ビタミンB群
主に、ビタミンB12とB9(葉酸)。ビタミンB12はメラニン色素を増やす力をもっていますし、ビタミンB9はビタミンB12と一緒に摂れば、血液の元になります。
したがって、これらの栄養素が不足すると、髪にじゅうぶんな色素が行き渡らなくなり、白髪の原因となってしまうのです。
銅
銅は、メラノサイトの働きを活発化させてくれます。しかし、銅は必須ミネラル、つまり、体内で作り出すことのできないミネラルなので、食事などで摂取しなければなりません。このため、銅不足から、白髪になっているケースもあるようです。
白髪に良いとされる栄養について、もう増やさない!白髪予防に良い栄養が摂れる食べ物の記事で更に詳しく解説しています。
睡眠不足
髪は、睡眠中に成長します。そのため、睡眠時間が足りないと、髪の健康が保たれません。これは、白髪に限らず、髪の質や量にも影響する良くない状態。せっかく栄養を摂取したり、髪にいい成分を吸収したり、細胞を活性化させる条件が整ったりしても、睡眠をとらなければそれらは生かされないのです。
かつては22時~深夜の2時がコアタイムと言われており、この時間帯に眠っていることが重要だとされていました。
しかし、現在では時間帯はあまり関係ないという説が有力なようです。ただし、それでもじゅうぶんな睡眠時間が必要なことには変わりありません。
病気など
なんらかの病気により白髪になっている場合もあります。以下のもの以外にも神経線維腫症や結節性硬化症などいろいろ考えられる病気がありますので、もし、白髪以外にも気になる症状がある場合は、念のため、病院に行くことをおすすめします。
白斑
白斑はチロシナーゼの減少やメラノサイトの異常により、色素が定着しづらくなる病気です。そのため、白髪が増えるのはもちろん、肌の色も薄くなりやすいです。
甲状腺機能低下症
甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンの分泌量の減少により引き起こされる病気です。主な症状は白髪のほか、むくみや便秘、それにともなう体重増加。皮膚の乾燥など。また、無気力や無力感など、精神面への影響も大きいです。
ただ、この病気は独特の症状がないことから、ほかの病気と間違えられやすい様子。もし、すべての症状に当てはまるなど、疑いが濃いようなら専門の病院を受診しましょう。
成長ホルモン分泌不全症
成長ホルモンは、健康体でも加齢とともに減少します。つまり、加齢による白髪はこの成長ホルモンの減少により起こるのですが、成長ホルモン分泌不全症(別名:成人GHD)という病気を患うと、年齢に関わらず成長ホルモンが減少してしまうのです。
この病気は、白髪のほかに意欲や集中力の低下、体脂肪の増加、疲れの蓄積などの症状がともないますが、どれもなんらかの病気を疑う理由にはなりにくく、本人でさえなかなか気づかないことも少なくありません。
運動不足
運動不足も白髪が増える原因になります。なぜなら、運動不足だと血行不良になるから。
運動すると気分がリフレッシュでき、血行不良による白髪のほか、ストレスによる白髪も解消できますよ。
タバコ
タバコは体内のビタミンB12やビタミンCを破壊するので、これが原因で白髪が増える場合もあります。なぜなら、ビタミンB12にはメラノサイトを活発化させる働きがありますし、ビタミンCには白髪の原因となる過酸化水素を分解してくれる力があるから。つまり、白髪を防いでくれる成分を壊すために、白髪になってしまうのです。
女性特有の時期
女性特有の原因による白髪としては、妊娠時期、出産時期のものがあります。この時期は、これまで白髪を防ぐために使われていた栄養素が、こぞって胎児を守るための力になるのです。
それも、妊娠する前とは比べ物にならないほど多くの栄養を必要としますから、髪を守るほどの栄養分はなかなか確保できないのです。
それに加えて、なれない妊娠や出産による精神的なストレスも重なり、白髪が増えてしまう場合が多いようです。
白髪と妊娠の関係について、妊娠すると白髪増えてしまう!?妊娠中は白髪染めしても大丈夫?の記事で更に詳しく解説しています。
それ以外に考えられる原因
これまであげた以外にも、紫外線の浴び過ぎや、間違ったヘアケアなど、白髪の原因はいくつか考えられます。
どれにも当てはまらない場合、もしかしたら、思わぬ習慣が原因になっているということも。一度、生活習慣を大幅に見直してみるといいかもしれませんね。
白髪を防ぐ方法のポイントは体調管理!
一言で白髪といっても、その原因はさまざま。ですから白髪を予防したり、改善したりするためには、まず自分の白髪がなぜ増えたのか、その原因を知り、自分にあった対策をとることが大切です。
ストレスを解消する
ストレスの元を完全に取り除くのは難しいかもしれませんが、副交感神経を活性化させれば、気持ちはじゅうぶん落ち着きます。副交感神経を刺激する方法はいくつもありますが、最も手軽なのは深呼吸。
ゆっくりと息を吸い、その倍の時間をかけて息を吐き出す。ストレスを感じたときなど、これを数度繰り返しましょう。
食事内容や生活習慣を見直す
自律神経の乱れや運動不足、栄養バランスの悪さによる白髪の場合は、それらの習慣を正すことで改善できます。適度な運動をし、バランスのとれた食事や睡眠時間を確保するようにしましょう。
頭皮マッサージをする
血行不良による白髪は、血行をよくする必要があります。専門機関による施術でなくても、入浴中に自分でマッサージするだけでもじゅうぶん効果がありますよ。その際は、力を入れすぎたり、爪を立てたりしないように注意しましょう。
一言で白髪といっても、その原因はさまざま。対処法もいろいろです。一時的な白髪の場合もあるわけですから、白髪が増えてきてもそこで諦めることはありません。
まずは、自分のケースがどれに当てはまるのか、確かめてみてはいかがでしょうか。
今の白髪染めで満足していますか?白髪染めを定期的に行っても、次の白髪染めまで根元が気になってしまう・・・。
そんな心配ばかりでは心も晴れやかになりませんよね。
そんな心配を解決する方法はちゃんとあります。20代に白髪に悩んできた私もこれで一切気にならなくなりました♪